脳腫瘍の主な治療方法

脳腫瘍の治療には、外科療法、放射線照射療法、抗がん剤による化学療法があります。
発症部位により、どの治療を行うかは、患者さんの体調・症状・がんの状況などを総合的に検討して決定されます。

◼︎ 外科療法(切除手術)

最も有効な治療法は、外科療法により腫瘍を全摘出することです。多くの良性腫瘍はこれで治癒しますが、手足を動かす神経に脳腫瘍ができた場合、腫瘍を全摘出できないこともあります。

手術には機能を損なわずに、どこまで摘出できるかなどの難しい判断が必要ですが、最先端のコンピュータ技術と医療機器の進歩は目覚ましいものがあり、治療成績も向上しています。

◼︎ 放射線療法

放射線療法

悪性脳腫瘍の全部、あるいは比較的良性の腫瘍の一部に対する重要な治療法の一つです。外科療法や化学療法と併用したり、単独でも行われます。

単独の場合、できるだけ病巣部だけに照射します。小さな神経鞘腫、髄膜腫には、ガンマナイフ治療も用いることがあります。また、線源は違いますがSMARTという集光照射もあります。

◼︎ 化学放療法

他がん種に対する全身化学療法とは違い、脳には脳血管関門が存在し抗がん剤が効きにくいため、外科療法や放射線療法と併用されます。

薬剤の組み合わせや投与方法が臨床研究により開発されており、経口投与、静脈注射、局所投与などがあります。

小児の脳腫瘍の治療法

髄芽腫 手術/放射線療法(射線照射中や照射後に化学療法剤を併用するほうが予後が好結果であると考えられている。)
星細胞腫 手術(完全摘出すれば嚢胞壁の一部を残しても腫瘍の再発はないとされている。)
上衣腫 手術/放射線療法(大脳や小脳深部に存在し全摘手術ができない場合に併用。)
頭蓋咽頭腫 良性腫瘍は手術。悪性腫瘍は手術+放射線療法(知能発達不全やホルモン障害などの副作用を減らすために、化学療法を併用する場合もある。)
胚細胞腫瘍 手術/放射線療法(絨毛がん、胎性がん、卵黄嚢腫瘍では化学療法を併用。最近では手術による組織診断後、化学療法を行い放射線照射量を減らすことを試みられている。)
視神経膠腫 手術/放射線療法(腫瘍発生部位によって、摘出によって両眼の失明を招く恐れもあり、その場合は放射線療法や化学療法が選択。)
脈絡叢乳頭腫 手術/放射線療法(残存腫瘍がある場合。)
脳幹部神経膠腫 放射線療法/手術(診断の決定あるいは一部の摘出のみ。)患部の腫れが強く症状が悪化した際はステロイド(リンデロン、デカドロン)を使うと一時的に症状が改善。
 

成人の脳腫瘍

星細胞腫 手術/放射線療法(病理学的診断でやや悪性の所見が疑われる場合に併用される。さらに悪性度の高い場合は、化学療法も併用。)
膠芽腫 手術/放射線療法(残存した腫瘍をたたく場合に併用。さらに悪性度の高い場合、化学療法も併用。)
脳室上衣腫 手術/放射線療法(病理学的診断で悪性の所見が疑われる場合併用。)
悪性乏突起細胞腫 手術/放射線療法(悪性度の高いものや化学療法がよく効く種類に対して放射線と化学療法が併用。)
髄芽腫 手術/放射線療法(周囲に転移しやすい性質を持つ髄芽腫は、化学療法も併用される場合もある。)
髄膜腫 手術/ガンマナイフ治療(発生部位によって手術が困難な場合に選択。)

神経膠腫(グリオーマ)

星細胞腫 手術/放射線療法(病理学的診断でやや悪性の所見が疑われる場合に併用。さらに悪性度の高い場合は、化学療法も併用。)
悪性乏突起細胞腫 手術/放射線療法(悪性度の高いものや化学療法がよく効く種類に対して放射線と化学療法が併用。)
上衣腫 手術/放射線療法(大脳や小脳深部に存在し全摘手術ができない場合に併用。)
脈絡叢乳頭腫 手術/放射線療法(残存腫瘍がある場合。)
髄芽腫 手術/放射線療法(周囲に転移しやすい性質を持つ髄芽腫は、化学療法も併用される場合もある。)

転移性脳腫瘍の治療

脳腫瘍の状態、原発となるがんの状態、その他の転移の有無などにより、総合的に判断して治療計画が立てられます。

まず一時的に症状緩和の目的で薬物療法が行われます。しかし、あくまで一時的なもののため、腫瘍の進行とともに再び症状が現れます。

治療は、腫瘍が単発であれば摘出手術と全脳放射線治療を中心とし、腫瘍が多発している場合は、全脳放射線治療になります。
また、分割した放射線を病巣のみに集中して照射するガンマナイフ治療もよく用いれらています。

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