乳がんのステージごとの生存率

乳がんは、比較的5年生存率も高いこともあり、予後は良好だと言えます。さらに、早期発見しやすい症状もあるため、早い段階で適切な治療をスタートすることができます。

ただし、その症状を放置してしまった場合には、転移してしまう可能性が非常に高いため、転移するまでに発見することが重要です。定期的な検査や気になった症状が現れた場合は、検査をお勧めします。

  5年生存率 10年生存率
ステージI 100.0 % 95.0 %
ステージII 95.7 % 86.2 %
ステージIII 82.6 % 54.7 %
ステージIV 34.9 % 14.5 %

乳がんステージ0期

0期

  • がんが乳管内にとどまり、基底膜を超えていない状態です。極めて早期の乳がんで、「非浸潤がん」と呼ばれます。また、乳頭部あたりの皮膚に発症する、パジェット病の一種も含まれます。

非浸潤がんの生存率は約100%です。転移は少なく、予後は非常に良いとされています。
よく言われる症状は「しこり」でが、初期では分かりづらいため、検診などで発見されるケースが多いです。

一般的に基本治療は外科手術になります。
全乳房切除術を行った場合は根治が望めます。乳房温存手術の場合は、乳房内にがんが点在している場合もあるため、その後の検査が大切です。場合によってはホルモン療法が行われることもあります。

乳がんステージ1期

1期

  • しこりの大きさが2cm以下、脇の下のリンパ節に転移していない状態です。

5年生存率は100.0%で、10年生存率は95.0%です。
人によって、しこりの場所や大きさなどが異なるため、気付く方・気付かない方がいます。この時点で発見されれば、5年生存率も高く、予後は良好です。

一般的な治療法は、外科手術と放射線療法です。
0期同様、全乳房切除術を行った場合は根治が望めます。乳房温存手術の場合は、乳房内にがんが点在している場合もあるため、場合によってはホルモン療法や化学療法が検討されることもあります。

乳がんステージ2期

2a期

  • 2a期
  • しこりの大きさが2cm以下で脇の下のリンパ節に転移がある、またはしこりの大きさが2〜5cmで脇の下のリンパ節転移がない状態です。

2b期

  • 2b期
  • しこりの大きさが2〜5cmで脇の下のリンパ節に転移しており、そのリンパ節は周囲組織に固定せずに動きのある状態、または、しこりの大きさが5cmを超えて脇の下のリンパ節転移がない状態です。

5年生存率は95.7%で、10年生存率は86.2%です。
1期同様、主な症状はしこりです。ほかに、乳房のえくぼなどの皮膚の変化が現れます。

治療は外科手術による切除が中心ですが、がんの大きさによっては術前薬物療法と呼ばれる、術前の化学療法が行われることがあります。
また、術後は再発防止目的のために術後補助療法の一つである、化学療法が追加されるケースが多いです。

乳がんステージ3期

3a期

  • 3a期
  • しこりの大きさが2cm以下で脇の下のリンパ節への転移が癒着または胸骨の内側のリンパ節が腫れている状態か、脇の下のリンパ節転移はないが胸骨の内胸リンパ節に転移がある状態、またはしこりの大きさが5cm以上で脇の下もしくは内胸リンパ節へ転移がある状態です。炎症性乳がんもこれに含まれます。

3b期

  • 3b期
  • しこりの大きさや脇にしたのリンパ節転移の有無に関わらず、しこりが胸壁に固定している、または皮膚が崩れる、皮膚からしこりが出ている状態です。

3c期

  • 3c期
  • しこりの大きさに関わらず、脇の下のリンパ節と胸骨の内側のリンパ節の両方に転移がある状態、あるいは鎖骨の上下のあるリンパ節転移が認められる状態です。

5年生存率は82.6%で、10年生存率は54.7%です。
リンパ節転移によって、脇の下のしこりで気付くケースもあります。

治療は、がんの状態によっては2期と同様、切除できる範囲で切除してホルモン療法などが行われます。場合によっては、放射線療法と化学療法の併用が検討されるケースもあります。副作用で治療がストップしないように副作用対策も行われます。
手術不能の場合は、ホルモン療法や化学療法などが中心となります。

乳がんステージ4期

4期

  • 遠隔転移している状態です。特に、骨・肺・肝臓・脳などに転移しやすい特徴があります。
    「転移性乳がん」も4期になります。

5年生存率は34.9%で、10年生存率は14.5%です。
転移による症状が現れるため、転移先により症状はさまざまです。肺に転移している場合、呼吸困難が起こります。骨転移では、病的骨折が起こりやすくなります。

主な治療は、対処療法である外科手術・化学療法・放射線療法が中心となります。そのため、症状に合わせた緩和治療が優先されます。痛みに対してはモルヒネを使用することが多く、80%以上は痛みの緩和ができています。

乳房パジェット病の予後

パジェット

  • 遠多くは非浸潤性のがんで、非常に珍しいタイプです。他臓器への転移は極めて低いと言われています。

主な症状は、乳頭や乳輪の周辺皮膚に、びらん(ただれ)を伴う湿疹がみられます。かゆみがあるケースもあります。進行すると、乳房全体が湿疹やただれで覆われてしまいます。

主な治療法は、外科手術による切除が第一選択です。
適切な治療を受けることができれば完治が望める、予後の良好ながん種です。しかし稀に浸潤性の場合もあるため、リンパ節転移がないかセンチネルリンパ節生検で確認が行われます。

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