悪性リンパ腫のステージ別生存率

悪性リンパ腫は大きく2タイプに分けられます。「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」です。日本では、ホジキンリンパ腫の治療成績が少ないのですが、欧米の治療成績とほぼ同等として考えられています。

また、早期発見・治療ができれば、5年生存率の数字は高い部類に入るがん種です。気になる症状がある場合は、医師へ相談することをお勧めします。

5年生存率 ホジキンリンパ腫 非ホジキンリンパ腫
ステージI 91.4 % 86.7 %
ステージII 84.6 % 74.3 %
ステージIII 65.3 % 64.0 %
ステージIV 44.7 % 54.6 %
予後因子リスク別 5年生存率 10年生存率
低リスク 73.0 % 55.0 %
低中間リスク 51.0 % 55.0 %
高中間リスク 43.0 % 32.0 %
高リスク 26.0 % 32.0 %

◼︎ ホジキンリンパ腫ステージ1期

1期

  • ・1期
  • がんが1つのリンパ節群内に含まれる1つ以上の、リンパ節、ワルダイエル咽頭輪(リンパ咽頭輪)、胸腺、脾臓、いずれかに認められる状態です。

1E期

  • ・1E期
  • がんがリンパ節の外側の臓器・組織、または領域に認められる状態です。

5年生存率は91.4%です。低〜低中間リスクの10年生存率は55%、高中間〜高リスクでは32%です。

最も多くみられる初期症状は、無痛の弾力性のある硬いリンパ節の腫れ・しこりです。多くは、頸部や鎖骨上窩の腫れ・しこりに気づき発見されます。検診などで発見されることは少ないと言えます。

また、リンパ節の腫れ・しこりは進行するにつれ成長し、初期から全身に広がる特徴もあります。2週間以上痛みのないリンパ節の腫れ・しこりなどがみられる場合は、医師への相談をお勧めします。

治療は化学療法が行われ、予後因子リスクなどの状況によっては、放射線療法が追加されるケースもあります。また、状況によっては、造血幹細胞移植が検討される場合もあります。

◼︎ ホジキンリンパ腫ステージ2期

2期

  • ・2期
  • 肺の下にある薄い筋肉の膜である横隔膜の上方または下方のいずれかに、がんが2個以上リンパ節群に認められる状態です。

2E期

  • ・2E期
  • がんが横隔膜より上か下のいずれかで1個以上のリンパ節群、また隣接する1つの臓器・組織の領域に認められる状態です。

5年生存率は84.6%です。低〜低中間リスクの10年生存率は55%、高中間〜高リスクでは32%です。

最も多い初期症状は、無痛で弾力のある硬いリンパ節の腫れ・しこりです。多くは、頸部や鎖骨上窩のリンパ節の腫れ・しこりに気づき発見されます。検診などで発見されることは少ないです。

またリンパ節の腫れ・しこりは、進行するにつれて成長し、初期段階から全身に広がるのが特徴です。腫れ・しこりは場所によって圧迫症状が現れることもある上、極度の疲労感やひどい寝汗などが現れるケースもあります。
2週間以上痛みのないリンパ節の腫れ・しこりなどがみられる場合は、医師への相談をお勧めします。

治療は1期同様に化学療法が行われ、予後因子リスクなどの状況によっては、放射線療法が追加されるケースもあります。
また状況によっては、造血幹細胞移植が検討される場合もあります。

◼︎ ホジキンリンパ腫ステージ3期

3期

  • ・3期
  • 肺の下にある薄い筋肉の膜の横隔膜より上と下の両方の複数個のリンパ節群にがんが認められる状態です。

3E期

  • ・3E期
  • がんが横隔膜より上下両方のリンパ節群に複数個認められ、隣接する1つの臓器・器官の領域内にも認められる状態です。

3S期

  • ・3S期
  • がんが横隔膜の上下両方にある複数個のリンパ節群と脾臓にも認められる状態です。

3SE期

  • ・3S+E期
  • がんが横隔膜の上下両方にある複数個のリンパ節群と、隣接する1つの臓器・器官の領域と脾臓内にも認められる状態です。

5年生存率は65.3%です。低〜低中間リスクの10年生存率は55%、高中間〜高リスクでは32%です。

最も多くみられる初期症状は、痛みはないが弾力があり硬いリンパ節の腫れ・しこりです。多くは、頸部や鎖骨上窩の腫れ・しこりに気づき発見されます。検診などで発見されることは少ないです。

また、リンパ節の腫れ・しこりは、進行するにつれて徐々に大きくなり、初期段階から、全身に広がっていくのが特徴でもあります。その腫れ・しこりは場所によっては圧迫症状が現れることもあります。この他に、かゆみを感じたり、極度の疲労感、原因不明の発熱や体重減少、ひどい寝汗などが現れるケースもあります。

治療は化学療法が行われ、予後因子リスクなどの状況によっては、放射線療法が追加されるケースもあります。また状況によっては、造血幹細胞移植が検討される場合もあります。
進行期である場合には、「ABVD療法」が標準治療として確立しています。放射線療法を併用する場合は「領域照射」になります。

◼︎ ホジキンリンパ腫ステージ4期

4期

  • がんがリンパ節群外の複数の臓器に認められる状態、またはリンパ節群の外側の1個の臓器と遠く離れたリンパ節に拡がっている状態、さらに、肺・肝臓・骨髄などに遠隔転移が認められるいずれかの状態です。

5年生存率は44.7%です。低〜低中間リスクの10年生存率は55%、高中間〜高リスクでは32%です。

各リンパ節にできたホジキンリンパ腫は、どんどん肥大化していきます。末期になると肥大化したことによる圧迫で、脊椎・内蔵・気道・血管などに関わる、さまざまな障害が現れます。

たとえば胸のリンパ節の場合、気道が狭くなることで、咳、不快感、息切れ、呼吸困難などがあげられます。脾臓や腹部のリンパ節では腹部に不快感などが現れ、遠隔転移した場合には、転移先の症状も同時に現れます。

治療は主に化学療法が中心です。場合によっては放射線療法が併用されるケースもあります。この他に、造血幹細胞移植も検討されることもあります。
また、がんによる症状がひどい場合には、症状の緩和・延命目的の手術・化学療法・放射線療法などの緩和ケアが行われることもあります。

◼︎ 非ホジキンリンパ腫ステージ1期

1期

  • ・1期
  • がんが1つのリンパ領域(リンパ節群、扁桃腺、隣接した組織、胸腺か脾臓)に認められる状態です。

1E期

  • ・1E期
  • リンパ節の外側の1つの臓器、または領域にがんが認められる状態です。

5年生存率は86.7%です。低〜低中間リスクの10年生存率は55%、高中間〜高リスクでは32%です。

最も分かりやすい症状として、頸部、腋窩、鼠径部などのリンパ節に触れて分かるような腫れ・しこりです。これらは無痛です。
もちろん、リンパ節は全身に存在しますので、胃のリンパ節にできると腹痛・胸やけが起きます。胸のリンパ節では気管や食道が圧迫されることもありますが、初期段階ではほぼ無症状であることが多いです。

主な治療は化学療法です。予後因子リスクなどの状況によっては、放射線療法が追加されるケースもあります。
予後因子のリスクが低悪性度の場合、進行はゆっくりと進むが抗がん剤の効果が現れにくく、中・高悪性度は進行ペースが早いが化学療法の効果が現れやすいといった特徴があります。

◼︎ 非ホジキンリンパ腫ステージ2期

2期

  • ・2期
  • 肺の下にある薄い筋肉の膜である横隔膜より、がんが上か下のいずれかに2個以上のリンパ節群内に認められる状態です。

2E期

  • ・2E期
  • 横隔膜より上か下のいずれかに1個以上のリンパ群内にがんが認められる上に、リンパ節外の、がんができたリンパ節と同じ横隔膜側の1つの臓器または領域に認められる状態です。

5年生存率は74.3%です。低〜低中間リスクの10年生存率は55%、高中間〜高リスクでは32%です。

1期同様に症状は、頸部、腋窩、鼠径部などのリンパ節に触れて分かるような無痛の腫れ・しこりです。もちろん、リンパ節は全身に存在しますが、初期段階ではほぼ無症状であることが多いです。
ただ、原因不明の発熱。ひどい寝汗、極度の疲労感などが現れる場合もあるようです。

治療は化学療法が行われ、予後因子リスクなどの状況によっては、放射線療法が追加されるケースもあります。
予後因子リスクが低悪性度の場合、進行はゆっくりですが抗がん剤の効果は現れにくく、中・高悪性度は進行が早いが化学療法の効果が現れやすいといった特徴があります。
再発の可能性がある場合には、自家末梢血幹細胞移植や造血幹細胞移植が行われる場合があります。

◼︎ 非ホジキンリンパ腫ステージ3期

3期

  • ・3期
  • 肺の下にある薄い筋肉の膜である横隔膜より、上と下の両方のリンパ節群内にがんが認められる状態です。

3E期

  • ・3E期
  • がんが横隔膜より上下両方のリンパ節群内に存在し、隣接する器官・組織内のうちで一方のリンパ節外に認められる状態です。

3S期

  • ・3S期
  • がんが横隔膜より上下両方のリンパ節群内に存在し、脾臓内にも認められる状態です。

3SE期

  • ・3S+E期
  • がんが横隔膜より上下両方のリンパ節群内に存在し、隣接する器官・組織・脾臓内に認められる状態です。

5年生存率は64.0%です。低〜低中間リスクの10年生存率は55%、高中間〜高リスクでは32%です。

2期同様に、頸部、腋窩、鼠径部などのリンパ節に触れて分かるような無痛の腫れ・しこりの症状があげられます。もちろん、リンパ節は全身に存在しますので、胸のリンパ節などでは気管や食道が圧迫されることもあります。
この他に、原因不明の発熱。ひどい寝汗、極度の疲労感、皮膚のかゆみ、原因不明の体重減少などがあげられます。

主な治療は化学療法です。予後因子リスクなどの状況によっては、放射線療法が併用されます。
2期と同じく、予後因子リスクが低悪性度の場合、進行はゆっくりですが抗がん剤の効果は現れにくく、中・高悪性度は進行が早いが化学療法の効果が現れやすいといった特徴があります。
再発の可能性がある場合には、自家末梢血幹細胞移植や造血幹細胞移植が選択される場合があります。

◼︎ 非ホジキンリンパ腫ステージ4期

4期

  • リンパ領域(リンパ節群、扁桃腺と隣接した組織、胸腺、脾臓)ではない1つ以上の臓器にがんが存在し、その臓器周辺にあるリンパ節内にもがんが認められる状態、またはリンパ領域でない1つの臓器にがんが存在し、さらにその臓器から遠いリンパ節に拡がっている状態、もしくは肝臓、骨髄、脳脊髄液(CSF)、肺などの遠隔転移が認められた状態のいずれかです。

5年生存率は54.6%です。低〜低中間リスクの10年生存率は55%、高中間〜高リスクでは32%です。
3期同様、リンパ節は全身に存在しますので、胃のリンパ節にできると腹痛・胸やけなどによって食欲不振、腹水が起きることもあります。胸のリンパ節では気管・食道が圧迫されて呼吸困難や、胸水になるケースもあります。

末期では、肥大したリンパ腫が脊椎・内蔵・気道・血管などを圧迫し、気道閉塞、血流障害、脊髄圧迫による麻痺など、さまざまな障害を引き起こします。遠隔転移があれば転移先の症状も一緒に現れます。その場合は、それぞれに応じた治療法が選択されます。

主な治療は化学療法が行われ、予後因子リスクなどの状況によっては、放射線療法が併用されます。
再発の可能性がある場合には、自家末梢血幹細胞移植や造血幹細胞移植が行われる場合があります。また、がんによる症状がひどい場合には、症状の緩和・延命目的の手術・化学療法・放射線療法などといった緩和ケアが選択されることもあります。

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