卵巣がん ステージごとの生存率

卵巣がんは、基本的に外科手術だけでは完治することは少ないため、現在では化学療法との併用が標準治療となっています。その理由は、小さな臓器であること、周囲の臓器や組織に転移しやすいこと、症状がわかりづらいなどがあげられます。

ですが、早期発見・治療ができれば、生存率は高い数字を維持できます。また早期の卵巣がんは、定期検査などで見つかることが多いため、積極的に検査を受けることをお勧めします。

5年生存率 10年生存率
ステージI 87.4 % 82.0 %
ステージII 66.4 % 58.9 %
ステージIII 44.2 % 18.1 %
ステージIV 28.3 % 15.7 %

卵巣がんステージ1A〜1C期

1a期

  • 1A期
  • がんが片方の卵巣内にのみとどまっている状態です。

1b期

  • 1B期
  • がんが両側の卵巣内にとどまっている状態です。

1c期

  • 1C期
  • 片側または両側の卵巣内にがんがとどまっているが、卵巣被膜や卵巣表面に現れている、もしくは腹腔や腹水でがんが認められる状態です。
    1C期は特に、体調確認と再発の有無を確認するために、定期的に通院します。

5年生存率は87.4%、10年生存率は、82.0%です。
症状はほぼ分かりません。そのため、定期検査などで発見されることが多いです。早期発見できれば早期治療によって、予後は良くなります。

主な治療は、卵巣切除です。片側の卵巣・卵管のみを切除する場合と、両側の卵巣・卵管・子宮を含めて切除する方法があります。大網は転移がない場合でも切除します。
切除した大網を病理検査した際に転移が見つかるケースがあり、この場合はI期ではなくIII期になります。 また、場合によってはリンパ節郭清を行うこともあります。

術後、大網とリンパ節の病理検査の結果によって、卵巣以外にがんが転移していなれば、ここで初めてI期が確定します。
術後は、再発予防目的の化学療法がほぼ確立しており、2~3年間は1~4ヵ月ごと、それ以降は半年~1年ごとに検査をするのが一般的です。

卵巣がんステージ2A〜2C期

2a期

  • 2A期
  • がんが子宮・卵管のいずれか、もしくは両方に広がっている状態です。

2b期

  • 2B期
  • がんが骨盤内にある他臓器にまで広がっている状態です。

2c期

  • 2C期
  • がんが骨盤内にある他臓器と腹腔にも広がっている状態です。

5年後の生存率は66.4%、10年生存率は58.9%です。
1期と比較すると症状に気付きやすいと言えます。例えば、下腹部や膀胱に違和感がある、腹部膨満などです。

転移している可能性があるため、基本治療は「全切除術」です。両側の卵巣、卵管、子宮、転移のある骨盤腹膜を含めて切除します。直腸に浸潤が認められる場合は、直腸も含めて切除するケースもあります。
また術後は、再発予防目的の化学療法がほぼ確立しています。

大網は転移がない場合でも切除します。切除した大網を病理検査した際に転移が見つかるケースがあり、この場合はⅡ期ではなくIII期になります。
術後はI期同様、大網とリンパ節の病理検査の結果によって、卵巣以外にがんが転移していなれば、ここで初めてⅡ期が確定します。

卵巣がんステージ3A〜3C期

3a期

  • 3A期
  • 肉眼的にがんは1〜2期の状態ですが、顕微鏡で確認した際にがん細胞が腹膜などに認められる状態が3A期です。

3b期

  • 3B期
  • がんが骨盤外で確認できるが、大きさは2cm未満の状態です。

3c期

  • 3C期
  • がんが骨盤外で確認できますが大きさは直径2cm以上、または後腹膜や鼠径リンパ節に広がっている状態です。

5年後の生存率は44.2%、10年生存率は18.1%です。
進行が進んでいるために、腹水、下腹部のしこりや圧迫感などが感じられます。
3期は4期と同様、進行がんとして扱われます。そのため、外科手術による切除術が第一選択肢となります。卵巣、卵管、子宮、転移の可能性がある箇所が切除されます。

ただし、患者さんの体力などの影響で手術ができない場合や、開腹しても切除ができない、また手術で切除しきれなかった場合などでは、状況に応じて術前や術後に化学療法が行われます。
また、腹腔内にがん細胞が認められる状態においては、抗がん剤の静脈内投与ではなく、腹腔内抗癌剤投与が行なわれます。

再発時は、局所的であれば切除手術が可能です。
手術不能の場合は、化学療法となりますが、半年以内の場合は初回とは別の抗がん剤が使用されます。一方、半年以降の場合は、初回と同じ抗がん剤を投与します。

卵巣がんステージ4期

4期

  • 4期
  • がんが遠隔転移しているか、肝臓実質に転移している状態です。また、胸水からがん細胞が認められた場合も4期となります。
    遠隔転移しやすい部位は、肺・肝臓・骨などです。リンパ節転移もよく起こります。

5年後の生存率は28.3%、10年生存率は15.7%です。
腹水、下腹部のしこりや圧迫感などの症状とともに、遠隔転移による、転移先特有の症状も一緒に現れます。

胸水が溜まると息切れや呼吸困難、食事がのどを通りにくい、腹部大動脈の周りや骨盤内のリンパ節がはれ、次第に胸部や首のリンパ節にも拡がっていきます。この場合シコリを感じることがあります。
腹水による腹部膨張感などの症状があらわれることがほとんどです。あるいは卵巣がんによって膀胱が圧迫され、頻尿になる程度です。

3期同様に治療は、切除可能な範囲で手術が選択されます。手術不能、がんが残っている可能性がある場合などでは、化学療法が状況に応じて選択されます。
また、症状がひどい場合や患者さんの体力が化学療法などに耐えられない場合は、症状の軽減目的である緩和ケアがメインとなります。

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